株式会社の設立手続きを始めるに当たって、まずは会社の基本事項を決定する必要があります。
予め会社の基本事項を定めていくことで、無駄な時間や費用を大幅に削減する事が可能です。
以下が主な株式会社設立手続きに当たって決定しておく基本事項になります。
発起人 | 株式会社を設立するには、基本事項を決めたり、定款の作成や登記まで様々な手続きが必要ですが、この一連の手続きを行う会社設立の企画者の事を「発起人」と呼びます。 最初にこの発起人を決めましょう。 発起人の数は1名以上で、必ず発行される株式を1株以上引き受けなければなりません。 発起人を複数にする事もできますが、人数が多い分手続きは煩雑になりますので、できれば1名、多くても2,3名にしておきましょう。法人でも発起人になる事はできます。 |
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商号 | 商号とは社名のことです。 まずは会社の名前を決めるわけですが、社名は好き勝手に決められるわけではなく、類似商号の調査(似たような社名の会社が近くにないかどうかの調査)を行う必要があります。 |
本店所在地 | 本店所在地とは、会社の住所のことです。本店所在地を決めることにより、管轄の法務局が決まります。 自宅を本店所在地とすることももちろん可能ですし、賃貸アパートの一室等でも貸主の了承を得ているのであれば問題なく登記可能です。 |
事業目的 | 事業目的を決める際には将来行う可能性のある事業も予め記載しておけば、将来の変更手続きの手間とコストを省くことができます。 ただし、あまりに多く事業目的を載せすぎますと、何を行っている会社か外部から理解されにくく、不要な信用低下につながる可能性もあります。 また、許認可の必要な事業を行う場合は、許認可を受ける官庁に事業目的の記載方法について必ず相談・確認するようにしましょう。適切な事業目的の記載がない場合、許認可の取得が出来ないこともあります。 |
資本金 | 現在は会社法の改正により、資本金1円~株式会社の設立が可能になりました。 ただし、行う事業目的によっては、資本金額の要件がありますので注意が必要です。また、資本金額はそのまま会社の信頼性に直結しますので、外部との取引や融資申請にも影響を与えます。 なお、資本金が1000万円未満の場合、設立から約2年間は、消費税の納税義務が免除されます。 |
出資者 | 株式会社の場合の出資者とは、株主(設立時の発起人)を指します。 出資額に関しては制限はありませんが、他にも出資者がいる場合は注意が必要です。 配当や議決権は出資比率によりますので、あなたの出資額は総資本の1/2以上、できれば2/3以上の出資が好ましいでしょう。 |
役員 | 現在は会社法の改正により、取締役1名からでも株式会社の設立は可能です。 取締役会の設置は取締役が3名以上いる場合となり、監査役の設置も取締役会を設置した場合のみ置く必要がります。 最近は1人株式会社や、取締役2人で取締役会や監査役を置かない会社も大変増えてきております。 また、役員の任期も伸長され、最長で10年とすることが可能になりました。尚、役員就任予定の方は、印鑑証明書(3ヶ月以内発行のもの)が必要になります。 役員は、任期が満了するごとに、同じメンバーが同じ役職を引き続き担う場合であっても、役員の変更登記を行う必要があります。 |
決算期 (事業年度) | 決算期は1年を超えることはできませんが、1年以内であれば自由に決める事ができます。 初年度の決算期は会社設立の日から決算期末日までとなりますので、決算時期を会社設立日に併せて決めると、初年度の決算時期を先送りにする事が可能です。 |
現物出資の目的物 | 現物出資がある場合は、目的物が特定できるように具体的に定款に記載します。 また、現物出資の価額は購入代金から減価償却費を控除した額により定めます。 減価償却費とは? 現物出資を行う場合には、通常の書類に加え、「財産引継書」「調査報告書」が必要になります。 |
公告 | 「公告」とは、会社の決算や組織変更などがあった際、それらを一般にお知らせすることです。 株式会社では、「公告」をどの方法で行うかを必ず決めて、登記することになっており、一般的には、定款にも定めます。 「公告」の方法は、「官報」、「電子公告」、「日刊新聞」の3種から選択します。 |
発行可能株式総数 | 発行可能株式総数とは、会社が発行することができる株式の上限数のことです。 登記事項ですので、ここで定めた範囲を超えて株式を発行するためには、株主総会などの決議を経て登記の変更を行わなければなりません。 ですから登記を変更しないで株式の追加発行が出来る株数とご理解いただければいいと思います。株式の譲渡制限を設けている非公開会社(上場していない会社)であれば、発行できる株式の上限に決まりはありません。多めに設定しておくと変更の手続きがかからないので、非公開会社であれば10倍を発行可能株式総数とすれば良いでしょう。 |